先輩なんて呼ばせない



こんなことを陵ちゃんに言わせるなんて自己嫌悪。


あからさまな態度を見せて、自分の気持ちをうまく隠すこともできない。


なんて私は子供なんだろう。


絨毯の一点を見つめながらポツリとつぶやく。


「……してないよ」


だってほんとだもん。


私が勝手にショックを受けてるだけで、陵ちゃんは少しも悪くないの。


「だったらどうして俺を避けるの?」


「それは……」


そんな切なそうな声出さないでよ……。


顔を見れば、その声のとおり切なそうな瞳で私を見つめていた。


ドクンッ。


ずるいよ。そんな目して。


こんな風に陵ちゃんに見つめられるなんて、最高の贅沢かもしれない。


幼なじみの私は、もうじゅうぶんすぎるくらいの特権を持ってるかもしれないけど。


足りないの……。それだけじゃ、足りないの……。


陵ちゃんが、好きで好きでたまらないから。