先輩なんて呼ばせない



「葵もそんなこと言うようになったんだな」


って、またお父さんみたいなことを。


「あー、うまいうまい」


私のダイエットに協力してくれる気はまるでない様子の陵ちゃん。


そんなに美味しそうにむしゃむしゃと目の前で食べられたら。


「い、一枚だけ……」


食べない宣言もむなしく、次から次へと手が伸びてしまう。


バリバリバリ……。


ポテチをかみ砕く音だけが響く私の部屋。


気まずさだけが充満する。


だって、陵ちゃんがここへ来た理由なんて、痛いくらいわかってるもん。


私が避け続けてるから……だよね?


「俺さ、葵に嫌われるようなことした?」


いきなり核心に迫られて、お菓子を入れたまま口の動きが止まった。


……やっぱりそうだ。