先輩なんて呼ばせない



「だ、だって、幼なじみだもん」


恥ずかしさを隠すように、更に速度を上げて歩みを進める。


「幼なじみってだけで、そんなゆでだこみたいな顔になるかな〜」


「も〜、やめてってばぁ〜」


私は両手で顔を覆った。


ことあるごとにからかってくる亜子に、私はいつも同じリ アクションしかできないんだ。


そう。陵ちゃんは私の初恋相手。気づいたときにはもう好きだった。


そして、その 初恋は現在進行形。


モデル顔負けの整ったパーツに、重めバングのミルクティー色の髪は、小顔の陵 ちゃんによく似合っている。


一見クールに見えるその顔からこぼれる笑顔は反則級に輝いていて、それを向けられたら誰だって一瞬で恋に落ちちゃうはず。


加えて、包容力があって明るく優しいところも。


ときどき、イジワルなところも。


ぜんぶが好き。大好き。