先輩なんて呼ばせない



運命といえば、私と陵ちゃんには度々こういうことがあった。


小中学校ともに運動会ではずっと同じ色のチームだったり、やっぱり中学の委員会も、二年連続同じだった。


ほんと偶然に。


今会うのは気まずいのに、次が陵ちゃんのクラスなんて皮肉だよ。


ファイルを見つめたまま、足は鉛のように重くなってしまい、すぐには向かえな かった。



休み時間、ふといつもの癖で陵ちゃんのクラスの方に目を向けると、ちょうど陵 ちゃんが廊下に出ていた。


思い出す、ファイルの存在。


……渡しに行くなら、今がチャンスかな。


どうせいつかは行かないといけないしね。


私はファイルを胸に抱えて、二年生のフロアへ向かった。


教室から見ていた通り、まだ陵ちゃんは廊下にいた。


でも……。


隣にはあの人がいた。


忘れもしない、雨の中ひとつの傘に入って帰っていったキレイな人……。