先輩なんて呼ばせない



「葵ちゃん、もしよければなんだけど」


そんな中、声を掛けてきたのは天音くんで。


「今日部活ないし、よかったら練習する?」


「ほんとに?」


今の私には願ってもないお誘い。


ふたつ返事で了承し、亜子も誘ってみたけれど。


お昼だけで精いっぱいと断られてしまい、天音くんとふたりで練習することに。


山本くんに、余計なことはしなくていいからって言われちゃったから、私がシュートを打つ可能性は極めて低い。


少しでもチームの力になれるよう、ドリブルやパスをメインに練習した。


次第に、おぼつかないながらも身体が勘を取り戻していく。


「そろそろ疲れたでしょ。終わりにしようか」


天音くんがボールを抱えてそう言ったのは、一時間くらいたったころ。


「私はまだ大丈夫だよ!」


楽しいからかな。そんなにきついとは思わなかった。