先輩なんて呼ばせない



「あの、天音くんね、サッカー部なのにバスケすごい上手なの。だから私今、特訓しててもらって」


慌てて会話をつなぐと。


「……あまね?」


「あ、藤崎くんのこと……」


「…………ふーん」


ゆっくり頷 うなずく陵ちゃん。


……今の微妙な間はなんだろう?


「てかさ、特訓なら俺がしてやるのに」


「えっ?」


思いもよらない言葉に胸がときめく。


陵ちゃんと特訓なんて夢みたいだもん。


「だって俺バスケ部だよ? いくらでも教えてやるって」


「あ、ありがとう……」


「それに……」


陵ちゃんは天音くんにチラッと目をやって。


「彼、バスケ部じゃないよね? 俺だったら、葵にケガさせるなんて無理な練習させないけど」


私の手首に触れた。