「あの子と陵介って、どんな関係なんだろう」


「ねー。陵ちゃんなんて呼んで、びっくりしたよね」


「普通〝綾瀬先輩〞じゃないの?」


じわじわと体中に広がる冷汗。


何気ない言葉が、胸にズキズキ突き刺さる。


ひそひそ話しているつもりだろうけど、私の耳からは雑音が一切消えて、彼女たちの声しか耳に入ってこない。


「幼なじみらしいよ。でも陵介はあの子のこと、妹にしか見えないって言ってたから安心」


「ふうん、まあ幼なじみなんてそんなもんだよね。近くて遠いってやつ。良かっ たー」


……っ!  


思わず目を見開く。