先輩なんて呼ばせない



そっかあ。

陵ちゃん、いきなり私が現れてびっくりしただけなのかなぁ。


ならいいけど。


それにしても、女の先輩の視線やあの空気はやっぱり堪えた。


「ありがとう、藤崎くん」


なんだかすっきりした。


私って結構、単純なのかな。


「どういたしまして。またなにかあったら相談して。葵ちゃんの悩みならいつでもウェルカムだから……っていうのもおかしいか。悩みなんてないに越したことないしね」


「ふふっ、ありがとう。藤崎くんて面白いね」


「それって褒められてるのかな。あ、そうだ。俺のこと天音って呼んでよ」


「あまね?」


「天に音って書いて、天音。俺だけ葵ちゃん呼びしてるのって、距離があるみたいで寂しいじゃん」


寂しいって……大げさだなぁ。でもそういうものなのかな?


「うん、わかった」


こんな話が出来る異性の友達がいることが、とても心強かった。