先輩なんて呼ばせない



わぁぁ。

ダメじゃん私。


こんなにあっさりベールを剥がされちゃって。


「きっと迷惑だったわけじゃないと思うよ?」


真っ赤になっているであろう顔で藤崎くんを見ると、冷やかしている様子はなく。


……バレたらもう開き直るしかないよね。


「……ほ、ほんと?」


「びっくりしたんじゃない? 葵ちゃんから訪ねてきてくれて。人って予想外のことが起きたとき、思わぬ行動をとっちゃうことあるだろ?その時の自分がどんな行動とってたかなんて、大体後になって気づくものだし」


わかるような、わからないような。


だって、陵ちゃんがそんな不器用な人には思えなくて。


「二年の教室に一年が行くのって、珍しいことじゃん。だからなおさら。まー俺が察するに、それが葵ちゃんだからっていうのもあると思うけどね」


片方の口角を上げて言われた後半の言葉は、ちょっと意味不明だけど……。