先輩なんて呼ばせない



共感してくれるようなそんな声音に、私は思わずさっきの出来事を話した。


いつもとの差をどう捉えてくれるのか参考にしたくて、私と相手との関係性、普段の相手はどんな様子かも事細かに。


もちろん相手が特定されないように、そこはベー ルに包んで。


「ねえ、どう思う? やっぱり迷惑って思われたのかな」


気付けば食い気味に問いかけていた。


だって不安で不安で仕方ないから。


同じ男の子の意見として、参考になる言葉は何でもほしい。


「葵ちゃんは、その先輩が好きなの?」


「……っ」


いきなり核心に迫られて息をのんだ。


……ていうかどうして?  


私は決して相手が男の子だと言わなかったのに!


「ち、ちがくてっ……あのっ……」


そこだけは死守したいと必死に紡ぐ言葉は。


「葵ちゃんって、うそがつけないんだなぁ」


……まったく通用しなかった。