先輩なんて呼ばせない



「だったらそのため息の原因、俺に出しちゃいなよ」


「……え?」


顔だけ横に向けて藤崎くんを見上げると、優しい瞳で私を見ていた。


「ため息って、出せない言葉の代わりに出るんだよね。だから、それが解消されるまで永遠にため息って止まんないんだよ」


哲学的なことを言われて、普段の彼の印象からは想像もできず、ポカンとする。


「俺、葵ちゃんの幸せがどんどん逃げてくの見てらんない」


そして、切なそうに揺れる瞳。


「……っ」


ふ、藤崎くんっ!?  


……見かけによらずそういうこと言うんだ?


でも……心が折れてるときって、人の言葉がほんとに胸にしみるんだね。


「……あのね……いつも仲良しな人にそっけない態度とられて……」


むくり、と体を起こしながら口から出たのは、今の切実な悩みだった。


ほんとは誰かに聞いてほしかったのかもしれない。


「詳しく聞かせてくれる?」