先輩なんて呼ばせない



***


「はぁ……」


さっきの陵ちゃんの態度を思い出してはへこむ。


どうしてあんなによそよそしかったんだろう。


私が行ったら迷惑だったのかな。


一年生の私が二年生のフロアに行くこと、よく思ってなかった?


先輩たちの目も怖かったなぁ。


私みたいなのが陵ちゃんに声を掛けるとか、百万年早いってことだよね。


学年のちがいをまたしても痛感してしまった。


「……はぁぁ……」


「……五回目」


ふいに隣から声が聞こえて顔をあげると。


「ため息」


苦笑いしながら私を見ているのは藤崎くん。


私、五回もため息ついてた?  


自覚なかった。


「そんなにため息ばっかりついてると、幸せ逃げちゃうよ?」


藤崎くんらしいセリフだなぁと思う。


いつも元気でポジティブな彼には、悩みなんてなさそうだもんね。


「でもね、ため息つきたい日もあるの。はぁぁ……」


分かるかな、この気持ち。


言って、机に突っ伏した私に。