先輩なんて呼ばせない



***


数日後。

学校へ着くと、真っ先に陵ちゃんのクラスへ向かった。


陵ちゃんがお弁当を忘れてしまい、私が届けることになったのだ。


ランチバッグを胸に抱え、陵ちゃんの教室、二年C組まで急ぐ。


うしろのドアから中をそっとのぞくと、陵ちゃんは朝練を終えて教室に戻って来たばかりなのか、椅子に座り鞄の中身を出しているところだった。


髪の毛が少し乱れているけど、それもまた自然な感じでカッコいい。


やっぱり陵ちゃんのカッコよさは格別なんだなぁ。


クラスの中を見渡しても、陵ちゃんほどのイケメンはいないもん。


朝から陵ちゃんに会えて幸せ。


自然と頬が緩む。これも陵ちゃんがお弁当を忘れてくれたおかげだ。


「ちょっと、どいてもらっていい?」


「……っ、すみません……」


入り口をふさいでいたらしく、女の先輩の声が飛んできた。