先輩なんて呼ばせない



仲がいいから、そうやってからかえるんだろうな。


……なんかなぁ。


私の方がずっとずっと陵ちゃんのことを知っているのに、この人たちの方が陵ちゃんのことを知ってるみたいでモヤモヤする。


それに勘違いなんて……しないもん。


……わかってるもん。


「じゃあ葵、またな」


「うん、ありがとう……」


仲間に囲まれながら手を振り去っていく陵ちゃんに、私も小さく手を振り返した。


寂しいなぁ……と、ぽつんと取り残される私に。


「葵、やったね!」


一部始終を見ていた亜子が肩を抱いてきた。


「……うん」


でも、内心複雑だった。


こうやって校内で陵ちゃんに会えるのはもちろん嬉しいけど、時々切なくなる。


やっぱり私は年下なんだと距離を見せつけられるから。


そのたびに胸がチクチク痛んで、泣きそうになるの。


陵ちゃんからもらったいちごミルク。

甘くておいしいはずのそれが、今日はなんだか少しほろ苦く感じた。