先輩なんて呼ばせない



「りょ、陵ちゃん……!」


胸がきゅんとして、一気に体温が上昇する。


どうして陵ちゃんがここにいるの? 


どうしていちごミルクを渡されてるの?

 
混乱しすぎて頭がうまく働かない。


ぼーっと突っ立つ私の手を取りいちごミルクを握らせる陵ちゃんは、イタズラっぽい顔を見せた。


「どうして?って顔してるな」


コクリ、とうなずく私。


「さっき体育だっただろ?きっとこれ買いに来ると思って」


「えっ、なんで体育だったこと……」


びっくりした。


だってすでに制服に着替えているから、体育だった痕跡なんてないし……。


すると、陵ちゃんはニヤニヤしながら言う。


「知ってる? 俺のクラスからグラウンド丸見えなんだよ」


ひ、ひえぇぇ〜!  


てことは、私の間抜けな姿を見られちゃったの?


「葵の姿、すぐにわかったよ」


「……っ!」


破壊力満点の笑顔と低音ボイスでそんなことをささやかれて、息が止まりそうになる。


陵ちゃんは私をどうしたいの?