先に言ったのは雨之瀬君。

「いや、雨花。俺と一緒に帰るよな?雨之瀬君は家、この辺じゃないでしょ?」

「まあ。でも女の子1人で帰らせるの、危ないでしょ?」

「俺が一緒に帰れば問題ないだろ?」

私を置いてかないでー!

雨之瀬君は、少し間を開けてふっと息をはいた。

「ま、いいや。しょせん、幼なじみですもんね。じゃね、雨花。また明日。」

雨之瀬君が帰っていく。

「まって!雨之瀬くっ!」

最後は彩誠の大きな手なよってふさがれた。

「雨花、帰ろうぜ。」