雨の日の裏庭で。

人を好きになるなんて信じられない。私が誰かを想うなんて考えられない。

そうなった人を、小さい時からずっと間近で見てきたから、余計にそう思っていた。

雨之瀬君のこと、そう想うことなんて、ありえない。

「少しは恋心、信用してみたら?」

李那羽は昔からそういう。

「渡辺(わたなべ)さんのときからそこは変わらないね。」

私の前の苗字は渡辺。その前は成瀬(なるせ)だった。

「渡辺のときから変わってない・・かもしれないなぁ。信用、してみようと思ったこと、あるんだよ。でも勇気が出せなかった。出なかったんだ。やっぱりママたちのこと思い出しちゃうんだ・・。私もどうせ、捨てられる。そんな危機の中で幼少期過ごしたから。私も魅花も。・・きっと翔来も。」