「雨花(うか)、行こう!」


友達の李那羽(りなは)こと椿(つばき) 李那羽が迎えに来た。


私こと詩之川(しのかわ) 雨花は私立花鳳学院高等普通科(しりつかほうがくいんこうとうか)の1年生だ。


「あーあ。あたし、この季節嫌い。」


梅雨のことだ。


「えー。私は好きだよ。」


「雨花が変わってるの!むしむしするし、髪の毛がうねっちゃう。」


李那羽は天パで梅雨の季節は髪の毛がうねってしまう。


「だって、紫陽花がキレイだもん。」


「ハイハイ、詩之川生花店の跡取り娘は花好きだねー」