みのりさんに言われていた卒アル
久々に開いてみた。


お互い可愛い
あんなことあったなぁ
こんなことあったなぁと
懐かしくページをめくる。


私は吹奏楽部
颯斗はサッカー部
よく音楽室で部活をしていた私は
運動場で走り回る颯斗を見ていたっけ。


グループで仲良くしていて
その中でも颯斗のことが好きで
そんな颯斗から告白されるなんて
思ってもなくて。。。


「日菜子ぉ お父さん帰って来たわよ」
下から母が私を呼んだ。


お父さんが帰ってきたら
3人でご飯へ予定なのだ。


私は卒アルを閉じて
紙袋に入れご飯の後はすぐ
アパートへ帰れるように準備をして
両親が待つ玄関へ降りた。


「お前そろそろいい人居ないのか?」
26になる娘の心配をする父
帰るといつもそのセリフがでてくる。


「残念ながら。。。」


「会社には居ないのか?
お前の好みの男性とか?」


「うーん・・・居ないなぁ〜
いい!と思えば相手が居たりねぇ」


「あっ!!!同級生の子はどうなの?
後藤工業のおぼちゃん
あのねお父さん
この子の会社ってね」から
ご丁寧に説明に入る母。


「ああ 今更何言ってんだ?」と父。


父は後藤工業が後藤建設に
社名変えてたのも
私がその会社に入社したのも知ってると
話した。


それには私も母も
「えーーー!!!信じらんない!
それを早く言ってよ!」
と父に言った。


「知らないお前たちの方が
信じられないわ!」


「なんで言ってくれないわけ?」


「知ってると思うだろ普通」


父と会話がない親子ではないのに
その話にはならなかった。


その時知ってたらどうなってた?
今と変わってた?
別に颯斗のことがあるからって
受ける前なら考えてたかも知れないけど
合格をもらって以降なら
そのままだったかもな。。。