数日後実家に帰った
颯斗と再会してからは
初めて帰った。


駅の近くの駐車場【GOTT】
ここは颯斗の家があった場所
もちろん経営は颯斗の家。


何回か訪れたこともある懐かしい場所。


高校卒業する頃に
ここは更地になった。


初めは経営していた会社が
潰れたのか?と心配にもなったが
そうではない。


規模が大きくなって
都会へと進出したのだった。


それからは時々見かけていた颯斗を
全く見ることはなくなった。


「あたしの勤めてる会社
後藤建設ってさ
昔駅近にあった後藤工業なのよ」


「え?そうなの?
それで?今頃それを知ったわけ?」


「まぁね」


「呑気なものね」


確かにね
呑気と言われれば呑気だよね
しかも元彼の家で働いているなんてね。


「あれ?あそこの息子さん
日菜子と同級生じゃなかった?
何度かみんなで遊びに来たことあるわよね」


単独できたこともあるのに
昔のことすぎて母も忘れているようだ。


「うんうちの課の課長してる」


「まぁ〜片や課長で
片や平社員」


「向こうは親の七光!
自ずと出世はするでしょ」


「そんな言い方するものじゃないわよ!
そんな簡単なものじゃないんだから
世間には日菜子のように思われてて
それをどう頑張るか
自分の代でダメにしないように
努力は大変なものよ」


「そうね」


全然大変そうに見えないんだけど!