「と言うことで帰りは待ってろよ」


「待ってなかったら?」


「罰を与える」


「何の罰?」


「今は言わない!」


「どうせ口からの出任せでしょ」
と笑うと「じゃあな」
と言い残し颯斗はいなくなった。


ーーーはぁーーーと
大きなため息ついたかと思った時


「仲良さそーにしてたわね!」
と青山さんに声をかけられた。


一瞬ドキッとしたけれど
「普通に話してただけだけど?」
と冷静に答えた。


「そう?そうは見えなかったな
横田さんが知ったらどう思うかな?」


「別に何とも思わないんじゃない?
仕事の話してただけだから」
とあくまでも業務中の話だと言い張る。


もし内容を聞いてたなら
何か指摘して言うはずだと思ったから。


「可愛子ぶってたじゃん
ニコニコしちゃってね」


最後は確かに笑ったけど
可愛子ぶってはない。


「好きに言ってて
あたし忙しいので」と言った言葉が
相手を憤慨させてしまったようだ。


「横ちゃん!今どこ?
ちょっと渡り廊下に来てくれない」


横田さんに電話をしたようで
「来るまで待って」と
足止めを食らったのだ。


近くにいたのか数分で横田さんが来た。


「何?」巻き巻き髪を揺ら揺らさせて
横田さんは青山さんに尋ねた。


「こいつが誘惑してたよ 
後藤課長を」


「はあ?してないけど!
普通に仕事の話をしてただけだってば!」


違うけど
仕事の話はしてないけど
ここは嘘を突き通さなきゃ。


「あたしが後藤課長を狙ってるのを
知ってるよね?
他の人はあたしが狙ってたら
身を引くのにあんたは何よ!」


嬢王様気分なのか
訳わからない発言。