帰ってすぐに中学の時一番仲の良かった
科野鮎美に電話をかけた。


半年ぶりの電話
「元気にしてる?」から始まったが
「何?突然の電話!
まさかぁ〜結婚する!って
報告じゃないよね?
この前は涼子だったでしょ?
みんな突然なんだなら」
と鮎美が言う。


「あはは ないない」


この年になると周りが結婚ラッシュ
中学時代の友人たちも着々と
片付き始めている
むしろ遅いくらいだ。


5人の仲良い友人の中で
残されたのは私に鮎美
そして山根和穂だけ。


颯斗のことを話した。


「え!!!後藤くんと同じ会社?
しかも課長?しかも後藤くんの家?
あんた 大丈夫なの?」


「大丈夫って?」


何か知ってるのかな?と思ったが
鮎美はただ あんな振られ方をして
その相手と顔を合わせて仕事をするのは
大丈夫なのか?と心配してるだけだった。


「颯斗のことはとっくに吹っ切れてるよ
もう何年経つと思ってんのよ」


「じゃあ 何?」


「颯斗があたしに恨みがあるみたいで
それがわからないのよ
あたし何かした覚えないんだけど
鮎美から見てあたしが
颯斗の気に触ることやってたかな?
どうかな?と思って」


「いやぁ わかんないよ
後藤くんがあんたにやられたって
言うんだから気づかない間に
何かをやっちゃってるんじゃない?」


「何だろ?」


「それだけ後藤くんが
根に持つと言うことは
相当なことをやらかしてるわけだから
あんたも思い出すまで苦しめば
後藤くんの気が済むんじゃないの」


鮎美の言葉はキツイけれど
それは本当のこと。