20時にBAR MIRAIに来てね
と石本さんに言われていた。


仕事もコピーなどの雑用も残っていたので
待ち時間を使って終わらせようと
会社に残っていた。


時計の針は19時15分を指している
そろそろ支度をしないといけない
と簡単に化粧直しをしていると
どこからか颯斗が現れた。


「あっ!お疲れ様」


「お疲れ」


「颯斗もまだ残ってたんだ」


「会議があったからな
ここまで遅くなるとは思わなかったけど」


「大変だね」


と言いながら最後の仕上げ
リップを塗り直し


「ヨシ!できた!
じゃあ!お先に」


と荷物を抱えて総務課を出ようとした。


「待て!」


急に颯斗に呼び止められた。


「うん?なに?」


「一緒に飯でも行く?」


「え?」


今日の私の予定知ってるよね?
それなのにご飯を誘う?


「飯行かない?
奢るから」


「行かないよー
あたしこれから石本さんと会うし
ってか颯斗知ってるよね?
あたし紹介してもらうって」


「知ってるよ
だから誘ってんだろ?」


「え。。。。。どういうこと?」


「行って欲しくないから」


「はぁ?よくわかんない」


「分かれよ!」


「ちょっと!何よ!
分かれよって分かるように説明してよ」


「行って欲しくないって言えば分かるだろ」


行って欲しくない・・・
それはどんな意図が?
突然すぎて理解できないんだけど。


「もぉー!あたしはそんなに
賢くないから分からないっ!
あっ!分かったぁー!
邪魔しようとしてるのねぇー
最低!!!」


「してる」


やっぱりか。。。


「えっ」


「オレは後悔してるんだ
後悔して後悔して」


「後悔?よくわかんない!
だけど時間ないからまた聞くね
あたし急ぐから」


「待てって」


颯斗は急に私を抱きしめた。


「ち・ちょっと・・・
痛いんですけどぉー
なに?何がしたいのよ!」