「これ!お土産ね」
と私が出勤すると
石本さんがお土産を配っていた。


「坂倉ぁー坂倉はこれね」


温泉旅館の売店に売ってあったという
薔薇の香りのするボディクリーム
魅力と魔力がパワーUPと
パッケージに書いている。


「ありがとうございます
何ですかぁ?魅力と魔力って!
ウケる!」


「今日それ塗ってみたら?
恋は成就するかもよ」


「ですかね?じゃあ
早速使っちゃいますっ!」




「おはよう」眠そうな顔をして
颯斗がやってきた。


「課長!昨日はお疲れ様でした
色々とありがとう」


「お前 朝から元気だなぁ」


「はい!今日頑張れば明日休みですし」


「その性格羨ましいわ
オレも休みだけどそんなテンションになれない」


「え?課長も休み?」


「そう。。。」


「見て見てこれ石本さんからのお土産!
ウケるくないです?
魅力魔力のパワUPって」


「なんだそれ?」


「今日はこれで勝負します」


「あっそう」


呆れられたかな。


「そんなことより
今日失敗しないように気を抜くなよ」


「それって夜のことですか?」


「はぁ?仕事のことだよ!」


ですよね
颯斗が夜の紹介の話のことで
『失敗するなよ』とは言わないよね。


「わかりました!」




一言多いんだってぇ!
ムカつくわ!