「早く帰った方がいいんじゃないんですか?」


「うん?」


「日曜日だから
デートお預けの彼女が待ってるんじゃない?」


「うん?彼女?」


「ほらぁー 前に会ったじゃん
『あたしの留守の時に女を連れ込んで』って
言ってた人」


「あれは違うって」


「別にいいけど颯斗が誰と付き合っていようが
あたしには関係ないから」


「あのさ
この後付き合わない?
話もあるし」


「話?どんな話?
今じゃダメな感じ?ここじゃダメ?」


ちょっとしつこかったかなあたし
急に話があると言われ
何を言われるのかすごく不安だった
昼間に将也さんと2人で何を話したのか。。。


「足痛いって言ったじゃん
明日も仕事だから早く帰って寝たいし」


「まだそんな遅くないだろ?」


確かに21時はまだ序の口だ。


「ダメダメ 睡眠取らないと
目の下にクマができちゃう
明日は特別な日だし」


あ。。。バカ。。。あたし
紹介してもらうなんて言ったらまた
バカにされるぅ!!!


「特別な日って?」


「久々の彼氏が出来るかもしれないって日
石本さんがいい人がいるからって」


開き直って正直に話すバカな私。


「そんなに紹介してもらうほど
欲しい?」


やっぱり。。。バカにしてる。


「この年で1人っていうのも
実際には寂しいよ
だってみんな居るでしょ?
颯斗だって石本さんだって」


「例えば石本が紹介してくれた人が
嫌な人だったとしても付き合うわけ?」


「石本さんは変な人は紹介しないから
ふふふ 独り身最後の夜に
颯斗と行動してるって
これも因縁なのかなぁー」


「あっそ」


それからは颯斗は口数少なく
だけど家までは送ってくれたのだった。