確かに坂倉のことは気になる
すごく気になる。


だから抱きしめたり
キスもした
体調不良で寝込んだ時
冗談で「襲うぞ!」と言ったものの
日菜子が「成長したか試そう」といい
オレはその時は
日菜子が欲しいと思った
だからここぞとばかりに身体を重ねた。


幸せだと思ってた瞬間
「大人になってた?」みたいなことを
言われてまた心がちくりとなった。


好きなのか?
言われてみたら好きなのかな?


でも頭の隅には
あの時のことがあって
その感情が膨らんでくる時もある。


好きだという感情が大きくなろうと
している時にこっちの感情も大きくなる。


男のプライドが邪魔をする。


「まぁ!課長
坂倉が好きなら
他の男に取られないように!」


「だ・か・ら!」


「だからじゃないですよぉ〜
あたしは坂倉に頼まれてるから
男を紹介しますね
知りませんよ
超坂倉好みの男を紹介する予定なので
うまくいく可能性大だから
後悔しないでくださいね」


「別に後悔なんてしないよ」


「言いましたね?
絶対今度は邪魔しないでくださいね!」


「しないよ!
今までだって邪魔した覚えないけど?」


「京田さん聞いたよね?
課長は坂倉のことをどうでもいいみたいだから」


そうとは言ってないだろ!


「やっぱりオレがもらっちゃおーかなぁ?」


「うんうん!それもいい感じ!
で?課長はどう思います?
京田さんと坂倉」


「いいんじゃないの?」


「マジで言ってます?」


「ああ」


めんどくさい!めんどくさい!
ただめんどくさい!
イライラする!
血管がプツリプツリと音を立てて
キレそうになる。


なぜた?


「課長!素直になった方がいいですよ
何をイライラしてるんですか?」


「してない」


「してますって!いつもの課長も違いますもの
後悔しても知りませんからね!」


「オレが?後悔?」


「はい」


「と言うことはオレが坂倉を?」


「はい」


「好き?」


「そうです!」


「・・・なわけぇー」


オレがそういうと
2人は崩れ落ちそうになった。


「恋愛ごとになると
こんなめんどーな人になるんですね
もっと『オレについてこい!』
みたいな人かと思ってました」


実際のオレは
そんなタイプ・・・のはず。


前の彼女もそうだし
アメリカに行く!と言ったら
「付いてはいけない」「待ってない」
とか言われて
「あっそう じゃあ別れよ」
みたいな さっぱりとしてるんだが。。。


日菜子のことになると
慎重になる
一度失敗しているからなのか。