2時間があっという間に過ぎていた
時間は22時半を回っていた。


「ね!課長!!!
大丈夫ですか?」


「あ・・・うん」


「帰りますよ」


「あ・・・うん」


一向に動く気配なし。


どうする?放置?
それはないよね?


「坂倉は課長の家知ってる?」


さっきまで日菜子とか
ヒナと呼んでいた京田さんは
坂倉という言い方に戻った。


「知ってると言えば知ってるけど
一回?二回?しか行ってないから
道がわかりません」


「どうする?」


「ビジネスホテルに閉じ込めようか?」


「それがいいですね」


京田さんはスマホアプリから
このお店の近くのホテルを探して
ネット予約を手早く済ませた。


歩いて行ける距離のところなので
京田さんが右側
みのりさんが左側を支え
私は颯斗の荷物を持つことになった。


「クソ迷惑な課長だよね」


「普段こんなに飲むのかな?」


「さぁ?
飲みたい気分だったんじゃないの?
しかし重いわよね!
明日冷静になって出勤してきたら
嫌味いっぱい言ってやるわ」
みのりさんは文句を言い続けていた。


ホテルに着くとロビーにあるソファーに
座らせ京田さんは手続きを行なっている。


その間私たちは
倒れるのを防止柵として
颯斗の両端に座り待っていた。


颯斗が私寄りに倒れそうになる
「ちょっと!潰れちゃうから」
とみのりさんの方へ傾けさせそうとすると
「やめてよ!さっきまで散々
重い思いをしたんだから
これくらい我慢しなよ」と
私寄りに傾ける。


その間颯斗はボーとしたままだ。



「はいあがるよ502号室だって」
とカギをチラつかせながら
手配を済ませた京田さんがきた。