「思い出したか?
それをあの人たちが見てみろ
今頃大騒動だよ
それでなくてもそれ系の話は
みんな好きなんだから」


「あ。。。」


「それ黒のマジックで
塗りつぶせ
なんならオレが今から消そうか?
当時のお子ちゃまな発言
バカなことを書いたもんだよなぁ
後悔しかないわ」


ーーー日菜子大好き
一生愛し続ける!覚悟しろ!
 颯斗よりーーー



あの時は一生このままだと思っていた
だからそんなキザなセリフを書いたのに。。。


「ごめん。。。
嫌なこと思い出させてごめん
信じないかもしれないけど
颯斗はあたしとのこと
後悔しかない!っていうけど
あたし颯斗と付き合ったことは
後悔なんかしてないから
それだけはあたしの本当の気持ちよ
過去のこと記憶を消す
消しゴムがあったら消せちゃうのにね
ごめんね消せられなくて」


今にも泣きそうな顔をして
そう言う日菜子。


過去を消す消しゴムか。。。
もしそんなものがあったら
オレはどこから消す?
日菜子に告る前?
山根先輩に取られる前?
別れを言い渡す時?
どこから消したい?


ふと考えていると
「自分が書いたんだから
自分で消してよ」
と卒アルをオレに手渡し
「それ!要らないから
颯斗が好きにして」と
日菜子はその場から離れた。


日菜子の泣きそうな顔が脳裏から
離れない。


どうしてそんな顔をするのか?
オレより他の男を選んだのに。