好きになるには理由があります

「ともかく、考えておけ。
 俺ももうちょっと考える。

 お前と英孝が仲良くなられても困るからな」

「そういえば、支社長は杵崎さんとは仲良しなんですか?」

「……仲良く見えたか?」

 いえ、と言いはしたが、今、英孝と言ったし。

 杵崎さんも、支社長はピュアな男だからとか言ってたしなーと思う。

「昔、いろいろと揉めた仲なんだ」
と陽太は、ざっくり言ったあとで、

「杵崎に訊け。
 黙っておきたいのはあいつの方だから」
と陽太は社史を手に行きかけ、戻ってきた。

「いや、やっぱり訊くな」

 どうしたいんだ……。

「もうあいつに話しかけるな。
 お前、神社で巫女もやってるだろう。

 あいつ、前、巫女さんと付き合ってたんだ。
 巫女さん好きかもしれん」
と言い出す。

「いや、それ杵崎さんが騙されたって話ですよね?」
と言ったが、

「ともかく、杵崎にはなにも言うな」
と言って、陽太は去っていった。