好きになるには理由があります


 


 なにか揉めているようだが、楽しそうだな。

 陽太は、ぎゃあぎゃあ言い合いながら、エントランスに入っていく深月と杵崎を見ていた。

 英孝め。

 何故、俺でなくお前が楽しげに深月と出勤している、と杵崎を睨んだあとで、

 ……どうするかな、と思う。

 ちょっと考えていたことがあるんだが。

 それを実行して、あの二人に仲良くなられるのも困るしな、と陽太は考えながら、自らもエントランスをくぐる。