好きになるには理由があります

 



 そんな怒涛の一日の翌朝。

 深月は枕元に置いていたスマホが鳴って、目を覚ました。

 てっきりアラームだろうと思っていたのに、電話だった。

「も、もしもし?」
と半分寝ぼけて出ると、

「おはよう、俺だが。
 お前の携帯の番号を教えろ」
と陽太の声で言ってくる。

 ……寝ぼけているのだろうかな、私は。

 支社長が、携帯に電話してきて、携帯の番号を教えろと言っているような気がするのだが、と思いながら、
「今、かけてきてますよね? 支社長」
と深月が言うと、

「この番号は、昨夜、ある人が教えてくれたんだ。
 だが、お前から正式に聞いたわけではないので、一応、確認を取ってから、かけようと思って」
と律儀に言ってくる。

 ある人か……。

 なんとかして、支社長を舞い手にしたいおじさんたちの誰かだな、と深月は思った。