好きになるには理由があります

 


 深月が帰ってきたようだ。

 清春は家の中から二人の様子を眺めていた。

 あのあと、ちょうど仕事が終わった万理の夫が、近いのに、万理が心配だからと迎えに来たのだ。

「清春さんもどうですか?」
と乗せて帰ってくれたので、深月たちを追い越してしまった。

「あー、今日も清春の顔が見れて、いい気分転換になったわー」
と助手席で万理が言い、ふっくらして人の良さそうなご主人が、はいはい、と横で笑っていた。

 なんだかんだでいい夫婦だ、と清春は思い出し、微笑んだあとで。

 ……俺たちもいい夫婦になれると思うんだがな、深月、と思う。