好きになるには理由があります

「まあ、それはさておき、お前の舞は可愛かったぞ」
と言われ、深月が、

「いや~。
 まあ、そりゃ、もともと子どもがやる舞ですからね」
と照れながら言うと、陽太は近くの大きなマンションを見上げて言う。

「このマンションとか子ども居ないのか」

「居ますけど。
 此処だけで別の自治会作ってるし。

 地域の行事にはあまり。

 みなさん、共働きでお忙しいですしね。

 万理さんとか、本当はこのマンションに住んでるから、この街に嫁に来たとは言っても、本来関係ないんですけど。

 高校のときの仲間も参加してるからと言って、手伝いに来てくれるんです」

「いや、単に、お前の兄貴目当てだろ」

「ま、そうかもしれませんけどね」
と笑いながら、深月はマンションを見上げて言った。

「こんなところに、こんなデッカイマンション作って、誰が住むんだろって、みんな言ってたのに、あっという間にいっぱいになりましたよ。

 この辺り、そんなに土地は高くないから、一軒家の方がいい気がするのに」
と深月は小首を傾げたが。