「二人でコンパにでも行きましょう」
とやさしく杵崎は誘ってくれるが。

「いや、いい」
と清春は断った。

 このまま終わるのは嫌だな、と思ったからだ。

 なにか一矢報いたい。

 いや、一矢報いるという言い方も変だが。

 深月を思ってきた今までの年月が長すぎて、このままなにもなく終わらせることは困難な気がしていた。

「……まあ、うちの親とか見てると、最初に結婚した相手がすべてではないなとは思うんだがな」
と呟くと、杵崎が、おいおい、という顔をする。

 深月たちが結婚する前から、離婚を願っているからだろう。