好きになるには理由があります

「深月が寝ていたら、ものすごい大きな足音が耳の側でして、飛び起きたんだそうだ。

 変質者かと思って深月の部屋に入ってみたら、白いヤモリが窓際に居た。

 あいつら移動するとき、(だい)の大人が走るくらいの音立てて走るんだぞ、知ってたか?」

 いや、ヤモリに枕許に立たれたことはないので、知らないが……と陽太は思っていた。

「俺は深月に、
『大丈夫だ。
 白いヤモリと遭遇するといいことがあるらしいぞ』
と教えてやった。

『そうなんだー』
と深月は納得して、そのまま寝た」

「いや、ヤモリ、出してやれ」

「でも、置いとくと、いいことがあるんだぞ」

 やかましいだろうが、耳許走られたら、と思う陽太に、清春は自分で自分の言葉に納得するように頷きながら言ってきた。

「やはり俺は深月に頼りにされている」

「いや……たまたまそこに居ただけだろうが」
ととりあえず、思ったままを言ってみた。