好きになるには理由があります

 前髪が濡れて見えるほど汗を掻いているのも。

 仕事中はちょっと怖いと思ってしまうその目つきも。

 何故だか今は、格好よく見える。

 まずい……。

 こんな人が顔をさらして舞ったら、みんな夢中になってしまうではないか。

 いや、なにがまずいのかわからないが、と思いながら、深月は覚悟を決める。

 陽太に真実を教えるために。

「あの」
と言った自分を見つめる陽太の視線にどきりとしながらも、深月は言った。