好きになるには理由があります

「ありがとうございます。
 高岡さんの分はこちらに運びますね」
と言うと、

「いやいや、支社長にそんなご面倒をおかけしては。
 いいですよ。
 私はあとでゆっくり食べますから」
と高岡は言う。

「最高ですね、この船。
 運転させてもらって嬉しいんで。

 どうぞ、お気遣いなく」
と船を褒められ、機嫌の良くなった陽太は、深月がもう立ち上がり、外を見ていたこともあって、さっきまでの不安を一時忘れた。