好きになるには理由があります

 


 うーん、困ったぞ。

 一日のほとんどを杵崎さんと秘書室で過ごすわけだから。

 このまま気まずいままというわけにはいかない。

 なにかあの空気を打開できる話でも持ち帰らねば、と思いながら、行くあてもなく、深月が廊下を歩いていると、向こうから也美が急いでやってきた。

「深月、深月っ」
と手を振ってくる。

 いいところに来た、というように。

「ねえねえ、聞いたんだけど。
 杵崎さんって、巫女さん好きなの?」

 そうか、私がコンパで巫女さんを勧めてたからバレたんだな、と思っていると、也美は、
「ねえ、巫女さんのコスプレグッズって何処で売ってるの?」
と訊いてくる。

 いや、コスプレグッズ買ってどうする気だ。

 呑み会で着るのか?

 出し物のある忘年会以外は浮くような……と思いながら、深月は訊いてみた。