好きになるには理由があります

 秘書室では杵崎が忙しそうに資料を確認しながら、電話で話している。

「総務に発注してた名札の確認に行ってきます」
と言って深月は秘書室を出る。

 総務に行った深月は、あっという間に、みんなに捕まった。

「ちょっと深月ーっ」

「深月っ、ちょっと来なさいっ」

 ひーっ。
 みんな怒ってるっ?

 なんでっ!?

「あんた、幹事のくせに先に帰ったけどっ」
と由紀が深月の胸倉をつかみかけたとき、

「深月ーっ」
と異様にテンションの高い声が聞こえてきた。

 誰だっけ? この声、と深月は振り返る。