好きになるには理由があります

 深月は幹事らしく、どうですかー? といろんなテーブルに行って、話しては笑っている。

 っていうか、酒、注がれるままに呑みすぎだろ。

 あの晩みたいにお持ち帰りされるぞ。

 陽太のことだ。
 どうせ酔いつぶれただけで、本当はなにもしてないんだろうと思っていた。

 だが、深月を見ているうちに不安になって、やっぱり、なにかあったのかもと疑ったり。

 いやいや、なかったに違いない、と思い込もうとしたり。

 どうでもいいではないかと思うのに、気になってしょうがない。

 また深月のスマホが鳴ったようだ。

 椅子がないので、しゃがんでテーブルに手を置いてしゃべっていた深月がスマホを手に立ち上がる。

 暗い中で、明るく光るその画面を見ながら、杵崎もまた立ち上がった。

 深月のところまで行き、そのスマホを奪い取る。

「貸せっ、俺がかわってやるっ」

「えっ、でもっ」
と深月は戸惑っていたが、由紀たちは、やんやと騒ぎ立てていた。