好きになるには理由があります

「でも、私が今まで出たコンパからの統計によると。

 仕方なく人数合わせで参加した彼氏が居る奴とか、結婚が決まってる奴とかが、不思議にモテるのよっ」

「わかる」
と沙希の言葉に由紀が頷いた。

「男もそうよ。
 もう決まった相手が居るのに来た奴の方がなんかいいのよ。

 落ち着いてるっていうか。

 コンパに来ても、誰か引っかけようなんて思ってないから、ゆとりがあって、目立つのよ。

 ガツガツしてないから、話しかけやすいし」

 そこで、
「そうか!」
と純が手を打った。

「『私にはもう決まった相手が居る』と思い込んで、コンパに参加したらいいんじゃないですか?」

「あっ、じゃあ、私、杵崎さんと付き合ってることにしようっと」
と沙希が笑うと、純が、

「あ、ずるいですっ。
 私が杵崎さんにしようと思ったのにっ」
と言い出す。

 何故、揉めるんですか。

 妄想の話ですよね?

 そして、杵崎さん本人もその場に居るはずなんですが、本人は狙わないんですか。

 杵崎と付き合っているという妄想が、杵崎攻略に役に立つとは思えないのだが……。

 だが、そこで、すでに一度、杵崎とは付き合って別れている由紀が頭を抱え始める。