好きになるには理由があります

「杵崎も参加すんだよね?
 祭りの手伝いしてるし」
と由紀が言い、

「ああ」
と杵崎が言うと、

「行く行くー」
と他のみんなも割って入ってくる。

 イケメンで仕事もできるが、厳しい感じがする、と杵崎を敬遠していた女子たちも、あの杵崎の愉快な自転車のおかげでイメージが変わったらしく。

 今、杵崎は大人気だった。

 会長の一族であることも、何処からともなく広まり、知れてしまったようだし。

「支社長はもう深月で決まりだしね。
 やっぱり、杵崎さんにしよう」
と也美も勝手に決めたようだった。

 いや……私はまだなにも決めてないんだが、と思った深月は視線に気づいた。

 こちらをじっと見ている女たちが居る。

 ああ、私にトイレのバケツ投げつけてきた人たち……、と思った深月は、ちょっと迷って彼女たちに声をかけた。

「コンパ、行きますか?」