深月は装束を着せられ、丈や動いてみても問題ないかなど、最終チェックを受けていた。
「はい、いいよー」
とおばちゃんのひとりが脱がせてくれながら深月に言ってくる。
「いやあ、深月ちゃん、いい人捕まえたねー」
「男前だし、お金持ちだし。
いまどきの人には珍しく、積極的に祭りのためにいろいろと動いてくれるし」
「そうねえ。
企業の宣伝にもなるからって言うけど。
こんな小さな祭りより、もっと大きなとこに力入れた方が宣伝になるのにね。
きっと深月ちゃんのためだよ」
とおばちゃんたちは言う。
深月はいつもより多めの篝火とかイベント用のテントとか人手とかの打ち合わせをしている陽太を見ながら、
「そうじゃないですよ。
支社長、ほんとうに神楽が好きみたいなんですよ」
と微笑んだ。
「いや、あれはいい」
と普段、そんなに無駄口を叩かない衣装直しの達人のバアさんが突然、陽太を褒めてきた。
ヨーダなおばあちゃんより更に年上らしいのだが、一体、幾つなのかよくわからない。



