好きになるには理由があります

「でも、確かに三角関係ではないな。
 こっちにももう一人居る」
と溜息をつきながら、陽太は言った。

 英孝もおそらく、深月に気があるだろうと思われるからだ。

 だが、そこで、ふと気づく。

 いやいや、四角関係どころの話ではないかもしれない。

 他にも、もっと深月を好きな男は居るんじゃないのか?

 だって、深月だからな、と陽太は、由紀たちが聞いていたら、全員で一斉に、いやいや、と手を振ってきそうなことを思う。

「あの子、変わってるから、そんなモテるわけないですよ、支社長~」
(じゅん)辺りが言いそうだったが。

 恋という名のフィルターがかかっている陽太の目は、これ以上ないくらい曇っていた。

 そのとき、清春が陽太に訊いてきた。

「お前は深月の何処がいいんだ?」

 そう問われ、改めて考えてみる。