好きになるには理由があります

「どうした、清春」
と則雄に言われた清春は、陽太が深月を連れ出した話をする。

 万理が近くで青くなっていた。

 自分も加担しているからだろう。

 万理は、
 この莫迦どもがっ、
 私が清春に嫌われたらどうすんのよっ、
という目で、深月と陽太を睨んできた。

 だが、則雄は、ははは、と笑い、
「滝行に行って帰ってきただけなんだろ?
 別にいいじゃないか。

 陽太はきっと、深月になんにもしちゃいないよ」
と言う。

「だって、見ろ」
と則雄は遊びに来ていた何処かの孫夫婦を振り返ると、奥さんが笑いながら、ごく自然にご主人の腕をはたいたりしているのを指差し言った。

「なにか関係があるのなら、ああやって、無意識のうちに、気軽に相手に触れたりしてるもんだ。

 この二人はそんなこともないじゃないか」

 た、確かにっ、と陽太は固まる。