好きになるには理由があります

 酔って連れ込んだ女相手になにやってんだと思いながらも、微笑ましく深月の寝顔を見ているうちに――

 ……自分も寝てしまったんだった、
と陽太は思い出す。

 なんにもしてないじゃないか、俺っ!

 結局、ヘタレかっ。

 キスすらしていないっ。

 てか、こいつ、なんで、なんにもされてないってわからなかったんだ?

 ああ、処女だからか……。

 どうしたらいいんだ、と陽太は苦悩する。

 今まで、既に、なにかしてしまったので仕方がない、という感じで、深月は自分の側に居てくれた。

 あのとき、なにかあったと思っているからこそ、こうして一緒に滝行にも行けたことだし。

 いや、深月がほかほかになって出て来ただけで、なんの修行にもなってないんだが……。

 ……なにもなかったとわかったら、深月は俺から離れていってしまうんじゃないだろうか?