好きになるには理由があります




「ありがとう。
 なんか清々しい気持ちになったよ」
とお祓いが終わり、清春に言うと、清春は、そっけなく、

「……そうか」
と言いながらも、ちょっと嬉しそうだった。

 そのあと、近所の老夫婦が日課の散歩で神社にやってきて、清春と話し始める。

 陽太は、しめしめと深月と二人、境内に出た。

 まだ肌寒くはあるが、天気がいいので、そんなに感じない。

「そういえば、お前、前の名字はなんて言うんだ?
 お母さんが再婚される前は、違う名前だったんじゃないのか?」
と訊いてみた。

 神楽の手伝いに来る深月の同級生も普通に一宮と呼んでるし。

 なんだか深月にしっくり来る名字だったからだ。

 深月が他の名字であることがピンと来ないというか。

 ……いや、飛鳥馬(あすま)はきっとピンと来るがな、と思っていると、

「いえいえ、それが前も一宮だったんですよ。
 うちのお父さんも親族なんで」
と深月は笑って言う。

 お前ら一族でしか結婚しないのか……。