「お前、俺を見捨てただろう~っ」
後片付けの最中、陽太が深月に文句を言ってきた。
今もなにやら大きな声で話しながら、笑っている万理やおばちゃんたちを見ながら、陽太は言う。
「俺があいつらに襲われてもいいのかっ」
「いいんじゃないのか?
減るもんじゃないだろう」
装束の飾りを古い木箱に片付けながら、清春が横から言ってきたが。
陽太は、
「いや、減る!」
と主張する。
「深月以外の女に触られたら、心がすり減ってく気がするんだ。
今は」
いや、前は……?と思いながら、深月が紙コップを片付けていると、電気ポットを手に、すすす、と陽太が寄ってきた。
「ところで、お前、日曜は暇か?」
と耳許で、ひそひそって言ってくる。



