好きになるには理由があります

 陽太は、ふふふ、と笑いながら、頭の中で、深月にジョウロで水をかけていた。

 夏休みの観察の宿題のヒマワリに水をやるように。

 やめてくださいっ、と千早を着たままの深月が両手で頭を押さえて泣いているところを想像すると妙に可愛い。

 などと考えていて、また、にやついてしまっていたようだ。

 いきなり、後ろから、どすっ、となにかで背中の真ん中を刺された。

 振り向くと、鯨尺くじらじゃくの竹のものさしで、清春が背中を突いていた。

「来い。
 衣装少し直してあるから。

 お前も深月と一緒でデカすぎるんだよ」
と言う。

 そこに千早を脱いだ深月が万理たちから解放されてやってきた。

 今の話が聞こえていたようだ。

「どっちも大きいじゃん」
と言って清春に笑いかけている。

 それを受けて則雄が言う。

「そうだなあ。
 清春は、パッと見、細身なんだが、意外と腕とか太いしなー」

 身長もあるし、サイズ合わせが難しい、と則雄は言った。

「そうだねー。
 清ちゃん、意外に筋肉質だからねー」
と深月が笑う。