好きになるには理由があります

「ああやって、さらさらっと書けるのが」

 ああ、と言った清春は、こちらを見、
「いつも書いてるから早くなっただけ。
 褒めても深月は渡さんぞ」
と言ってくる。

「別に渡してくれなくていい。
 勝手に連れて逃げるから」
と深月が居るのだろう社殿の横の部屋を見ながら陽太が言うと、

「船長」
と清春が呼びかけてきた。

 いや……、こういうシリアスなシーンでは、できれば、陽太で、と思ったが。

 話をさえぎるのもなんなので、そのまま黙っていると、清春は、
「深月はお前ほどの男が入れ込むような女じゃないぞ」
と言ってきた。

 一体、深月にどんな秘密が……?
と身構える陽太に、清春は語り出す。